吉備津散策コース

吉備津駅を起点に、吉備路を代表する吉備津神社、古代吉備文化財センター、大吉備津彦命の御陵、吉備の中山を縦走して吉備津彦神社を経て、備前一宮駅に至る5.4kmの散策コースです。 このハイキングコースの見所は、吉備の中山の東西にある吉備津神社(吉備津)、吉備津彦神社(備前一宮)の本殿・拝殿と庭園です。特に、吉備津神社では、丹精こめて育てている四季の花が楽しめます。両神社ともに、桃太郎伝説のモデルとも言われる大吉備津彦命が祭神です。

吉備津駅から参道へ

吉備津駅を降りて東へ歩くと、松並木が500mつづく吉備津神社の表参道に入る。多くの松並木が、松くい虫で消えていく中で、大切に保護されている。参道の朱塗りの欄干が、いろどりを添えている。
表参道の入り口は、旧山陽道と結ばれていて、西には板倉の宿があった。江戸時代には、宮内地区は、吉備津神社の直轄地で、神社の繁栄とともに門前町としてにぎわったそうである。

吉備津神社本殿

吉備津神社の本殿及び拝殿は1425年に建造されたもので、入母屋造りの屋根を前後に並べて中央を連結させた独特の様式で「吉備津造り」とも言われます。岡山県では数少ない国宝建造物です。 (写真は 葺き替え前の本殿)

大屋根の葺き替え工事

檜皮(ひわだ)葺きの大矢根は、50年に一度葺き替えられます。 今回の葺き替えは、平成17年から平成20年の約4年の歳月を費やして行なわれます。
平成18年10月に、葺き替え工事の一般公開があり、葺き替え作業を見せていただきました。檜の皮を下から一枚一枚重ねて竹釘で止めていきます。写真撮影も許可されていましたので、吉備津神社に感謝しながら、貴重な資料として掲載しています。

平成20年2月に、完成まじかな檜皮葺きの大屋根の一般公開がありました。
整然と積み重ねられた檜皮葺き屋根の深みのある色合い、入母屋の屋根の曲線、軒付けの白壁・朱、金箔の装飾は、荘厳な趣をかもし出していました。

平成20年6月に、工事に使われていた足場が取り外されました。大きく伸びすぎていた北側の樹木が取り払われ、北側から国宝の本殿を見ることができます。

桜と回廊

廻廊の両側に植えられている桜が、満開である。吉備津神社では、四季折々の花木を観賞できる。梅、つばき、桜、ぼたん、紫陽花、いちょう、紅葉・・・。 
廻廊を背景にした桜は、写真スポットである。右に分岐した廻廊を進めば、温羅伝説につながるお釜殿至る。
廻廊をまっすぐ進めば、右側に弓道場とぼたん園がある。お釜殿の左側の門を出て、道路はさんだ宇賀神社(末社)へ回る。

宇賀神社のしだれ桜

宇賀神社は、神池に浮かぶ小島に吉備の国最古の稲荷社である。この池にそりだした「しだれ松」と「しだれ桜」は写真スポットである。

瀧祭神社から細谷川へ

水神を祭った瀧祭神社(末社)の横を通り、細谷川の登り口に着く。細谷川の春秋は、平安時代に多くの歌人に詠まれている。
  真金吹く 吉備の中山 帯にせる
       細谷川の おとのさやけさ
               古今和歌集
  鶯の なくにつけてや 真金吹く
     吉備のやまびと 春を知るらむ
            金葉集 藤原顕季
小学生の遠足で、細谷川の細道づたいに登ったことが思い出された。現在は、車が通るアスファルトの道が整備されており、いにしえの趣は残っていない。

大吉備津彦命の御陵

御陵に通じる石段を登る前に、岡山県古代文化財センターに立ち寄る。古代の埋蔵物を中心に展示され、展示室入り口に、説明パネルが設置されいる。このパネルで古代山陽道、弥生時代の海岸線も知ることができる。吉備の中山の南(庭瀬)あたりは、海だったようだ。
石段を登ると広場にでる。大吉備津彦命をお祭りした前方後円墳の御陵がある。宮内庁が管理しており、手前の柵から中へ入ることはできない。広場では、家族連れの花見客が弁当を広げていた。この広場へは、吉備津から、庭瀬から、一宮からの三方向から登ることができる。

吉備津彦神社

吉備の中山を縦走し、吉備津彦神社への山道をとる。古代石、環状石離を通り抜ける。中山には、古代の信仰の磐・石が散在する。急な坂を降りると吉備津彦神社の東側にでることができた。
吉備津彦神社の祭神は、名前の通り大吉備津彦命である。本殿、渡殿、祭文殿、拝殿と直線に配置された荘厳な造りである。本殿のみが元禄当時の建築物で、他の三殿は消失し、再建されたものである。

吉備津彦神社の結婚式

拝殿では、大安吉日には、結婚式が予定されている。由緒ある神社での神前結婚は、趣がある。
拝殿から真直ぐに参道が旧山陽道まで伸びている。隋神門をでて太鼓橋を渡ると東側に亀島神社、西側に鶴島神社からなる三島式庭園がある。備前一宮駅は目の前に見えている。



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