足守駅から川沿いを歩く
足守駅から足守川堤防の車道を川上に歩く。
1kmほど歩くと、車道は川から離れていくが、散策コースは堤防上の道をとる。新しい橋を越えて、堤防沿いに歩く。3本の大きな桜の木が堤防に植えられている所に出る。そこから中村橋が見える。
春はタンポポ、セイヨウカラシナ、秋は彼岸花が咲きそろう。川辺では、サギ類を、運がよければカワセミを観察できる。
中村橋から葦守八幡宮鳥居
中村橋で足守川を渡る。足守の医療センターの横を進むと国道429号線と交わる十字路が出会う。直進してしばらく行くと、左側に葦守八幡宮の石鳥居がある。
なんでもないような石造りの鳥居であるが、銘の入っている両部鳥居としては、日本最古の鳥居である。康安元年(1361年)「沙弥妙阿」作で国の重要文化財に指定されている。
道を登って龍泉寺の鳥居へ
車道をそのまま直進すると、峠を越える坂道に入る。右側にため池を2個見ながら、坂道を登っていく。坂の途中に龍泉寺へ行ける近道があるが、車道を進む。しばらく行くと左側に龍泉寺の駐車場があり、左側に「龍泉寺入口」の大きな看板があり、龍泉寺の石鳥居が見える。
龍泉寺と称する寺院は、全国に数多くある。岡山県内にも、「龍泉寺」は4寺ある。吉備路の龍泉寺は、岡山市北区下足守にあり、山号は「最上本山」である。境内は広く、自然の中に建造物が点在する。
龍泉寺と龍王池
龍泉寺の境内と周辺には、多数の「もみじ」が植樹されおり、秋には美しい紅葉を見せてくれる。樹が育ってきており、知る人ぞ知る紅葉の名所である。指一本で三千貫の岩が動く「ゆるぎ岩」が境内にある。
龍王山の水を湛える龍王池は、周囲約2Km ある大きな清らかな池で、八大龍王の聖池として管理されている。龍泉寺の祭事としては、7月第4日曜日におこなわれる「お瀧まつり」が有名である。
龍王池周辺の湿地と自然
龍王池周辺には、龍王山から滲みでる水がつくりだした小規模な湿地が点在する。今では見ることが少なくなった野草が自生し、トンボが生息する環境が残っている。これらの湿地は、龍泉寺の境内と保安林に守られ、龍泉寺の保護で環境が保存されてきた。最近では、「龍泉寺の自然を守る会」のボランティアで維持管理されている。
龍王池から奥之院一乗寺
龍王池の南側にある身代り地蔵の東に、2本の石柱が立っている。石柱が立っている道が、龍王山山頂にある奥之院一乗寺に通じている。
石鳥居をくぐり、少し歩くと石段が続き、「南無妙法連華経」と掘り込まれた石塔群が道の両側に並ぶ坂道にでる。
最後の石段をあがると奥之院一乗寺である。
奥之院一乗寺(龍王山山頂)
龍王山山頂には、石造りの巨大な宝塔群がそびえ立ち、圧巻である。巨大な石たちは、どこから、どのようにして運ばれてきたのだろうか。現在では、北側に車で上がれる参道ができているが、建立当時はそのような道はなかった。これらの石塔群を見ただけで、山頂に登った価値がある。
山頂からの眺めは、木立が成長して眺望をさえぎるところが多いが、見晴らしは良い。奥之院一乗寺の宿坊は東側に面しており、「ご来光」を仰ぐには最適な場所に位置している。
最上稲荷へ
奥之院一乗寺から山を下り、最上稲荷(最上稲荷山妙教寺)へ向う。下山の途中に、報恩大師が修行されたといわれる八畳岩がある。ジグザクになった石段を下ったところに、登録有形文化財に指定されている檜皮葺き旧本殿(寛永元年再建)が鎮座する。最上稲荷は、伏見稲荷、豊川稲荷に並ぶ日本三大稲荷として、県内外の参拝者多い。 インドの殿堂様式の石造りの仁王門(昭和33年再建)は珍しく、登録有形文化財に指定されている。
最上稲荷から備中高松駅へ
仁王門をくぐると、土産物屋が両側に並ぶ門前町を通る。
初詣の期間はにぎやかであるが、平素は閉めている店が多くシャッター街である。稲荷から備中高松駅まで直線に延びた遊歩道を歩く。駅に近づくころ、右手前方に木立の茂った高松城址が見える。青山歯科のところを右に曲がり、突き当りを左に曲がれば、備中高松駅に着く。
四季を通じて楽しむことができる健脚向きコースである。